ベスト・キッド的にリズム強化

 

その昔、「ベスト・キッド」という映画がありまして、作中でミヤギ老師が主人公のダニエル少年に雑用ばかりさせるが、それがじつは効果的な空手の練習になっていた、というくだりが有名です。

 

空手の練習だからといって、道場で道着を着て素振りや型の練習や組手をするばかりとは限らないのですね。

 

映画ではデフォルメというか若干大げさに描かれていますが、意外と大切なこと・要点はその他の要素に隠れていてピックアップしにくいものなのかもしれません。

主人公も最初は、与えられた雑用の真意を汲み取れずにいます。

 

 

さて、音楽の話。

今回は「リズム」について。

 

「え、またリズム?」と思いました?

そんなこと言わないで!w

先日のTwitterのアンケート結果でも、リズムが大事だって声がとても多かったんですから。

ベスト・キッドの前振りは、なにもリズムに限ったことではなく何にでも当てはめることができると思いますが、とりあえず今回はリズム。

 

 

以前、別のスクールで講師をしていたころ、リズム強化のために生徒さんにダンスをすることを勧めていた若い講師がいました。

私はそれを肯定的に捉えましたが、それを受ける生徒さんは必ずしもダンスをすることに積極的ではないように見受けられました。

なんなら講師の中にも、「あいつ、生徒さんに何やらせてるんだよ」と思った人もいたかもしれない。

 

まぁ、そう思うのはムリもないかもしれません。

だって、できるようになりたい、やりたいのはダンスじゃなくて、ギターやピアノ、サックスだったり、歌が上手くなりたかったりするわけですから。

 

 

でも、何かを鍛えようとしたときピンポイントに有効な練習をしていくのは、けっして間違っていないと私は思います。

 

1曲の中のある部分のリズムが上手くいかなかったとして、それはその曲限定でのことではなく、もっと根本的・本質的なところの理解が足りない、意識や練習が足りない、ということが少なくないはずです。

そういうベーシックなリズムへの理解、リズム感の強化を考えたとき、楽器を使って練習することは、リズム以外のたくさんの要素も同時に意識せざるを得ないことになります。

リズムだけに意識を絞れない。

 

結果、かけた時間やエネルギーに見合った成果が得られないことに繋がりかねません。

もちろん最終的には、他の諸々の要素と合わせてリズムをコントロールしなければなりませんが、まずはリズムに絞る。

 

 

そもそも、歌や楽器演奏において「リズムの要点」とは、ある周期に対して任意のタイミングで身体を運動させることです。

こうやって書くとなんだか分かりにくいですね。

でも、このことをまず頭の隅に置いておきましょう。

 

リズムが苦手な方の特徴として、まずこの「周期」への意識の低さが挙げられます。

 

リズムがうんぬんという音楽の場合には、必ずこの周期があります。

ここで言う周期とは、拍(ビート)の連続です。

そしてこの拍の連続は、いくつかの拍でひとかたまりに感じることができると思います。これが拍子です。

さらに、この周期(連続する拍)のスピードをテンポと呼びます。

 

さまざまな曲のあらゆるフレーズ、その中の11音は、この周期に対していかなるタイミングで鳴らされているか(鳴らすべきか)を意識していくことが、大基本です。

 

 

そう考えたとき、ダンスは有効ではなかろうか。

 

ダンスというのは全身運動なので、指先だけの運動などに比べて、はるかにこの周期を感じやすいはずです。

周期を円運動で表すとしたら、5cmくらいの小さな円じゃなくて、1mくらいの大きな円をイメージで描いてください。

 

 

ピンと来ませんか?

遠回りのような気がしますか?

ベスト・キッドですよ。

 

 

もちろんダンスも良いですが、もっと身近でシンプルなのは歩いたり走ったりすることです。

これ、思いっきり周期的な運動ですもんね。

マーチングってありますよね。行進しながら太鼓や管楽器を演奏するやつ。

あのイメージ、すごく良いと思います。

 

 

あ、ちなみに椅子に座りながらでも、トントンと小さく足でリズムとったりしますよね。

あれを頼りにするのはお勧めしません。

あれはしっかりリズムを理解してコントロールしている人ならいざ知らず、周期を感じて意識していくには頼りなさ過ぎるんです。

簡単に止まったり、スピードが変わったり、他の運動につられたりしてしまう。

全身を使って、大きく周期を感じていきましょう。