裏拍の感覚をつかむ

リズムのお話のつづきです。

 

前回は、頭で理解することと歌ったり演奏したりできることは=(イコール)ではない、というお話と、テンポという音楽的な周期に対して自身の周期的な運動を同期させていく、というお話でした。

 

今回はそれを補う形でもう少しお話ししてみます。

頭でリズムを理解しようとしたとき、次のような図が分かりやすいのではないかと思います。

時計のような円の1周を1拍と考えたときに、1周を1/21/4などに区切ってそれを8分音符や16分音符の発音のタイミングや音の長さだと捉えます。

 

しかし、この図を実際の演奏に活かそうとすると、せいぜいテンポはBPM301分間に30の拍が入る速さ)くらいがいいところで、つまりとっても遅いテンポじゃないとこの図を時計回りに目や指で追いながらリズムを認識していくことなんてムリじゃないですか?

やっぱりこの図は、前回のお話になぞらえると、「理解する」というところどまりにしか活用できません。

 

そこで、「自身の周期的な運動」の出番です。

今回は「歩く」という運動を利用してみましょう。

スペースのあるところで実際に歩く方がより自然で良いのですが、その場足踏みでも構いません。

メトロノームを聴きながら拍に合わせて足踏みします。腕も自然に振って。

テンポはBPM90くらいが良いですかね。遅すぎても速すぎても足踏みしにくいですから、自然なスピードに調節してください。

しばらく続けているうちに、モグラ叩き的でなく、さほどメトロノームの音を意識しなくても自然に足踏みと合っているような状態が作れると良いですね。

 

どうですか?

メトロノームの音が鳴るときに踵が地面に着くとか、いやいや、足の裏がベッタリ着いたタイミングだとか、そんなふうにゴチャゴチャ考えないです。

ご自分の中で自然であればそれで良いです。

 

それが自然になってきたら、今度はメトロノームのテンポを倍にしてみましょう。さっきまでBPM90だったとしたらBPM180ですね。

そしてさっきまでと同じように(同じ歩調で)歩きます。

すると当然、さっきまでと比べ1歩を歩く間に1つ多くメトロノームが鳴りますね。

今度はこれが自然になるまで歩きましょう。

 

自然になったら、再度メトロノームのテンポを元(BPM90)に戻し、最初と同じように歩きます。

そうしたときに、メトロノームを倍で鳴らしていたときの刻みをご自分の中でイメージできたら、この試みは成功です。

 

この、メトロノームを倍で鳴らしたときに、1歩と1歩の間で刻まれる(音が鳴る)タイミングを、俗に「裏拍」と言います

 

今回の試みは、自身の周期的な運動の中に表拍、裏拍それぞれのタイミングをイメージできるようにするためのものです。

頭では「裏拍は、ちょうど円を半周描いたタイミングだ」と分かっていても、そのタイミングを周期的な運動の中に落とし込まなければ、実際に歌ったり演奏したりすることができません。

とくに裏拍は、中級者でも自分の中にしっかりしたタイミングを持っていない人も意外といらっしゃいます。

こんなの簡単じゃん、と侮らずやってみてください。

 

さらに次回へ続きます。すいませーん。