練習の割合

「上手さ / 音楽レベルの高さ」にもいろいろあります。

今回はその中で、

「弾きたい(吹きたい・歌いたい・叩きたい)と思った曲やフレーズをパッと弾ける」

ということを目指していく前提でお話ししてみます。

 

 

そのために必要な要素は何でしょうか。

5つピックアップしてみました。

 

 

・音楽を聴く

CDでもサブスクでもYoutubeでも、「聴こう」と意識的に音楽に耳を傾けることです。

そのうえで聴き方はいろいろあると思いますが、それは問いません。

もちろんライブやコンサートに行くのもここに含みます。

 

・楽器を練習する

実際に楽器を触って、曲やフレーズを出来るまでくり返したり、基礎練習をしたり。

アンサンブルの練習やセッションもここに含まれますが、日ごろから1人でも取り組めることとして考えると、今回はそれらはいったん外して考えてみます。

また、練習というわけではなく、何となく楽器に触っている、楽器と戯れる、鼻歌を歌うといった時間をここに含むかどうかで話は大きく変わってきそうですが、今回は音楽を聴くのと一緒で、練習として意識的に取り組むこととしてみます。

 

・音感トレーニング

相対音感のトレーニングです。

ソルフェージュといわれる練習の一環として、歌うことと聴いて判断することをくり返します。

最近ではトレーニング用のアプリもいくつかあります。

 

・リズムトレーニング

やはりソルフェージュの一環として、歌ったり、手を叩いたりしてリズム感を強化します。

リズムに関する基本的な知識を知っていくこともここに含みます。

 

・理論の勉強

いわゆる音楽理論というやつを勉強します。

座学というか、お勉強です。

 

 

もちろんこの5つ以外にも要素はあるでしょう。

上記の要素でも、自分以外の誰かと接点を持って取り組んだ場合、1人で行うのとはかなり成果が変わってくるはずです。

 

ひとまず今回は、大人の方が普段の時間の中で1人でも上達していくには、ということで考えてみます。

あ、それと、音楽経験が多くない方を想定しています。

 

 

すでに音楽を初めている方も、これからの方も、いかがですか?

この円グラフの割合はどんな感じが理想的だと思いますか?

 

 

この割合は、人によって、やりたいことによって変わってくることは当たり前ですので、「こうでないといけない」ということはありません。

 

 

ただ、漠然と上達しようと思ったとき、こんなバランスを考える方もいらっしゃるかもしれません、

 

これが悪いというわけではありませんが、例えば楽器がサックスだとしたら自宅での音出しは難しい方がほとんどでしょうから、この割合で言ったら楽器の練習以外の4項目に関しては「ノータッチ」になるのが実状でしょう。

 

 

じつは「弾きたいと思った曲やフレーズをパッと弾ける」を目標とした場合、楽器の練習(楽器のコントロール力の向上)は最重要事項ではない可能性もあります。

もちろん始めたばかりの方であれば、最低限の技術は欲しいところですのでそのあたりは個人差があるでしょうけど。

 

これらの要素は完全にセパレートしているわけではなく、例えば楽器の練習にリズムトレーニングが含まれているということもあるでしょう。

しかしあえて分けているのはなぜかと言うと、楽器を使わなくてもリズムトレーニングはできるからです。

楽器の練習において曲やフレーズがうまく形にならないとき、その原因がリズムにあることはけっして少なくありません。

だとすれば、楽器を鳴らすことが難しい時間にリズムの練習をしていくことはきっと意味があるでしょう。

個人的には、リズムは音楽の要素の中でももっとも重要だと考えています。

 

また、「弾きたいと思った曲やフレーズをパッと弾ける」ようになるには音感の強化も不可欠です。

音感については、そもそも「大人になってからは身につかない」とあきらめている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません!

しかるべき手順でじっくり取り組んでいけば誰でも身につくのが相対音感です。

そして音楽を奏でるにあたって重宝するのは、絶対音感ではなく相対音感です。

 

理論については「知っておくと便利なこと」くらいに思っておけばいいという見方もあります。

たしかに理論を知らなければ音楽ができないわけではありません。

でも、便利なら知っておけばいいんじゃないかと私は思います。

なにしろ練習やトレーニング系の項目は、じっくり取り組んでいくと徐々に成果が実感できるようになるものですが、知識は「ただ頭に入れておけばいいだけのこと」ですので。

 

私が最も大事だと思っているのは、音楽を聴くことです。

音楽を聴くなんて誰でもやっていることでは?と思われるかもしれませんが、単純に鑑賞するのではなく練習として、そこで起こっていることにいちいち反応するように意識を音楽に向けて聴きます。

私の経験上、「弾きたいと思った曲やフレーズをパッと弾ける」人は、例外なく意識的に音楽を聴いている(聴いてきた過去がある)人です。

 

 

ということで、あくまで一例ですがこんな感じはどうでしょうか。

こんな割合なら実際に楽器を触る時間が限られていても、「やれること」をやって上達していける気がします。

もちろん、楽器にもたくさん触れた方がいいのは言うまでもありませんが。

 

 

私の場合はどうかと言うと…

私はいちおうスクールでも自宅でも楽器を鳴らすことができますが、普段はこのくらいの割合かな…。

 

 

とにかく常々申し上げているように、

楽器を触っている時間だけが練習というわけではない

ということです。

 

楽器の練習以外の4項目は「音楽レベル向上のため」のものと言えるかもしれません。

高い音楽レベルと必要最低限の楽器のコントロール力があれば、先にあげた目標はおよそ達成できるのではないでしょうか。

 

何らかの楽器を上手に演奏できる人がいたとして、その人が他の楽器を0から始めたとき、それまでに培ったこと(音楽レベルの高さ)を活かして短い期間である程度の演奏ができるようになる、というのは何となく想像できますよね。

 

 

今回のお話を例に、ご自分の目標へ向けてどんな練習をどんな割合で、どんな時間の使い方で行うと良いのか、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。