いわゆる生のアコギをライブステージで演奏しようと思ったら、
その規模にもよりますが、音量を補うために
マイクでギターの音を拾うか、ピックアップで音を拾ってジャックアウトする(シールドでアンプにつなげる)などします。
そういうことを想定した
エレアコ
というタイプのギターがあります。
正式には「エレクトリックアコースティックギター」ですね。どっちやねん、て名前。
製品として、はじめからピックアップが組み込まれたアコギです。
もし、音量の大きな他の楽器と合奏したり、ステージで演奏したりといった用途が可能性としてあれば、エレアコを選ぶのもいいと思います。
作りとしてはピックアップがついていること以外はアコギですので、アンプラグド(アンプにつなげない状態)でもある程度の音量で弾くことができます。
見た目もアコギと大差ないものがほとんどです。
ただ、生の鳴りは、生のアコギに比べると若干劣ります。
エレアコで有名なメーカーはテイラーやオベーションなどです。
以前、生のアコギでもご紹介したヤマハやタカミネ、エピフォンなど多くのメーカーもエレアコモデルを作っています。
エレアコを選ぶ基準としては、単板か合板か、木の種類は何か、構造はどうなっているかなど、つまるところ生のアコギと同じで「鳴り」の良さが挙げられますが、それ以外に「ピックアップの性能」というのが大きなポイントになってきます。
厳密には、音を拾うピックアップと、音のキャラクターを整えるプリアンプの、それぞれの性能です。
エレアコのピックアップおよびプリアンプといえばフィッシュマン(Fishman)が有名。
当然、高級モデルには質の高いピックアップおよびプリアンプが装備されている傾向にあります。
またいくつかピックアップしてみます。
Taylor 114e
近年では、マーティン、ギブソンに肉迫する人気を得ているテイラー。
テイラーのエレアコは生の鳴りが素晴らしいです。
また複数箇所から音を拾うピックアップシステムを採用していて、アンプ出しした音も素晴らしい。
Ovation CE48
元祖エレアコと言えばオベーション。
ひと目でオベーションとわかる特徴的な見た目が、以前は好きじゃなかったけど今は好き。
樹脂を使った丸っこいバック(背面)は、オベーションならではのサウンドに大きく働いています。
Takamine PTU141C
国内メーカーでエレアコに強いのはタカミネ。
生アコギ同様、質の高い楽器をリリースしています。
Epiphone EJ200
エピフォンにもエレアコモデルがたくさんあります。
いくつかピックアップしてみましたが、これらのギターを見て気づくことはありませんか?
そうです。ボディ上部の片側がなにやら「えぐられた」ようになっていますね。
これは「カッタウェイ」といって、ハイポジション(ハイフレット、ネックの付け根の方)での演奏がしやすいように加工されているんです。
生のアコギでは、カッタウェイになっているモデルもありますが、そうなっていないものが基本です。
ところがエレキギターではカッタウェイは当たり前。
エレアコでもカッタウェイモデルが多いような気がします。
個人的にはアコギでもエレアコでも、そんなにハイポジションで弾こうとは思わないので、なくてかまわない加工ですが…。
さて、これらエレアコは、あくまでアコギにピックアップが内蔵されたもの。
つまりスチール弦を張る前提のギターです。
一方で、ガット弦を張ったアコースティックギターにピックアップを内蔵したタイプの楽器もあります。
これを「エレガット」と言ったりします。
クラシックギターのようなタイプから、けっこう個性的な見た目のものまでいろいろあります。
アイバニーズ(Ibanez)のエレガット。
ちなみに、ちょっとややこしいのですが、エレガットというとガット弦を張ったエレキギターを指す場合もあり、ボディに空洞を持たない「ソリッドボディ」の楽器も含まれます。
カナダのブランド、ゴダン(Godin)のエレガット。
私は自宅ではフェンダーのエレガットばっかり弾いています。そんなに高い楽器じゃないですが、弾きやすくて超気に入っています。